Re: 突然変異について
In article <YAS.08May20195638@kirk.is.tsukuba.ac.jp> yas@is.tsukuba.ac.jp (Yasushi Shinjo) writes:
>In article <20080518175922.ab0b399c.mistletoe@s9.dion.ne.jp>
> "K.Moriyama" <mistletoe@s9.dion.ne.jp> writes:
>> 最近、進化論関連書籍を読んでいるのですが、[ 突然変異 ]を前提として
>> 説明しているようです。で、何かの本で、[ 生物学上、突然変異は1世代限り]
>> という主旨の内容を読んだ事が有り、どうも矛盾します。
>突然変異が事実上、1世代というのは多いかと思います。突然変異
>が起きると、悪い方に働くことが多くて、生殖年齢まで生き残れな
>いとか、生殖がうまくいかないということが多いということだと思
>います。稀によい方に働いて、子孫が増えて、種の中に広まってい
>くということはあるのでしょう。
突然変異って、要するに遺伝子のコピーエラーですよね。典型的には、
DNA の一ヶ所がちょっと替る。替りやすい組合せってのが有った様な
気がしますが、よく覚えてません。
コピーエラーの結果、実質的に影響ないエラーだと、その家計がたま
たま子孫を残せば遺伝子プールに残ります。まあ、2-3 代で絶える事
も結構有るでしょう。
影響の出るエラーってのは、ある形質 (大抵は酵素) が発現しなくな
る場合が多いので、新城さんの仰る通り、不利に働く事が多い。で、
プールからは消えて行きます。一方、血液型みたいに有利不利があま
り無いと残ります。多少不利でも、致死的でない形質だと、赤緑色盲
とか遺伝病とか、細々と残ってる例も有ります。
今迄無かった形質が発現するエラーは、絶対無い訳でもないでしょう
が、滅多に無いでしょう。むしろ有りそうなパターンは、一見影響の
無さそうなエラーが、複数家系から集まって来て組合わさって… て
え奴じゃあないでしょうか。これも良く働く場合と悪く働く場合が有
りますので、必ずしも残らない。
種間雑種が、原則として一代限りってのは、そうですね。種の定義自
体が種間雑種が繁殖出来ない事だったりもします。
犬の「雑種」みたいに、一つの種の中の品種間では繁殖可能な場合が
多いので、混同しやすいんですけど。
>> # 進化論については、大筋では合っていると思いますが、[ 論 ]
>> # となっている点から、確定ではない?
>進化論に対抗する話としては、Intelligent Design 論とかね。ま
>あ否定はできないんだろうけれど。これで、新薬開発とかはけっこ
>う大変なんじゃないかなあ。
生物学だと、物理や化学みたいに簡単に実験出来ませんからねえ。で
も今では分子レベルで色々ウラも取れてるんで、かなり有力な仮説の
一つだと思います。
とは言え、「進化論」が一枚岩かどうか良く知りません。少なくとも、
ダーウィンの進化論が今でもそのまま正しいって事にはなってなかっ
た様に聞いてます。
--
椎野正元 (しいの まさよし)
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