ここはどこかの会議室、なんか安っぽいモダンな水色事務用会議机
が部屋の真中でその大部分を占拠して周りの人工革張りの会議椅子
が20脚くらい並んでいる。上の席は議長役の男が座っていて、入
り口のところにはミネラルウォータのペットボトルが数本あって、
入ってきた会議の参加者が勝手にとれるようになっている。

ほくなん「えーっと、それでは時間もないので
     こんな感じで次回作の企画会議をはじめたいと思います」

「はい!議長」すぐ隣に座っていた姫ちゃんが言われてもないのに
わざわざ起立して手を挙げた。

ほくなん「あーはい、姫ちゃん、なんですか
     それからいちいち立たなくてもいいから」

姫ちゃん「そぉですか、わかりました。
     はい!議長」

ほくなん「はい、姫ちゃん、発言をどうぞ」

姫ちゃん「はい、えーっと、姫ちゃんは前の話を覚えていません。
     師匠はどんな話の続きをするのですか」

PhD レオ「つーか、≪姫ちゃん≫はオレの秘密基地の爆発とともに
     消滅したんじゃないのかよ、なんでお前がいるんだよ」

姫ちゃん「えーっ、そんなことありません。
     姫ちゃんは危機一髪に救助されたです。
     みんな死んじゃったと思っていたところに現れて
     感動の再開をするですよ」

PhD レオ「お前は南極物語のタローとジローかって
     それに漢字間違っているし『再開』じゃなく『再会』だろうが
     そんなのねーよ
     だいたいお前は天羽の変な水技術で作られた泡人形じゃん」

涙眼でいまにも泣きそうな姫ちゃんとマジギレ状態のプロフェッサー
レオがとっくみあいを始めたので、ほくなんが間に入り二人を引き離した。

ほくなん「あーちょっとちょっと静粛に
     それじゃとりあえず前の物語のおさらいをしますか」

みっひー「えーっとよろず屋のほくなんが姫ちゃんとプロフェッサー
     レオを連れて事件を引き受けるというギャグマンガだっけ」

ほくなん「みっひーさんそこで漫画を読まないでください」

姫ちゃん「そでっすー姫ちゃんそんなキャラづけじゃないアルです」

ほくなん「ってか姫ちゃんそのキャラ判んないから
     そもそも姫ちゃんの声って釘宮じゃないから」

PhD レオ「オレもほくなんの舎弟みたいな役なんか
     やってられっかよ、ひとりでやれひとりで」

ほくなん「だから違うって」

みっひー「つーか何で天羽はいないわけ?
     これは端役の誰が残るかの会議なの?
     そしたらこの面子を見れば
     次回ヒロインはわたしに一目瞭然でしょ」

ほくなん「あ、あの
     天羽さんはアホを告訴するため出廷しなきゃいけないので
     都合がつかないとさっき連絡をいただきましたから」

みっひー「ふーんあらそう
     ところでさぁ、次回作って登場人物足りるの?
     fj って限界集落状態なんでしょ」

ほくなん「まぁ、あのエキストラとか入れて
     なんとかする予定ですけど……」

そこにガラリと扉を開いて人が入ってきた。戸口のところに仁王立
ちになったおばさんは会議の議長席に座っているほくなんを見た。
T.K.「あんたら会議室の予約とって会議してるんだろうね?」

ほくなん「ああ、すみませんすみません忘れました」

姫ちゃん「師匠、忘れましたで住めば都ですアルネ」

PhD レオ「お前も訳のわからんキャラ押すなって
     全然わかんねーよそれ
     つーか、ほくなん段取り悪すぎじゃん」

みっひー「あーんじゃ解散ね、か・い・さ・ん(はあと)
     はい、おつかれさん」

みっひーさんがスタスタと部屋をでていくと、他の出席者(実は台
詞はないが姫ちゃんやプロフェッサーレオ以外にも会議の出席者が
臨席していた)も蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
途方に暮れるほくなんをT.K.が睨む。

T.K.「まだなんか用あんの?」

ほくなん「すみません、すみません、すみませんでした」

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のりたま@てなかんじの話を書きたいんだけど