胡錦濤主席は今日来日するが、その共同声明案はほぼ固まったようだ。
 両国間にまたがる懸念問題は少なくとも四つある。
 「毒入り餃子問題」「東シナ海の油田共同開発問題」「チベットの人権問題」「中国軍の異常増強問題」である。
 これらの問題については、すべて蓋をしたまま、胡錦濤の言う「暖かい春」「未来指向」の日中主脳会談を評価する「ぬるま湯」共同声明になるのだ。
 小泉クレ−ジ−元首相の靖国参拝固執が原因で、10年間も中国主脳の来日がないという、冷え切った日中関係だったのだから、こんな、失礼のない「ご挨拶」だけのの共同声明になるのもやむを得ないのかも知れない。が、これで、上記の日中懸念問題は、政治決着、棚上げということになるのは確実であろう。
 吉田茂ならもう少し違っていたのであろうが、ディプロマティクセンスのない福田、高村外交なのだから、この程度のものなのだ。
 村上新八