訪米欧の途中短時間日本に立ち寄ったダライラマの記者会見での発言は極めて穏便であり、まとも、かつ現実的だ。
 ダライラマは、「チベット僧侶、民衆の対中国抗議デモは、チベット人に対する差別化とチベット文化の圧殺に抵抗するものである」「私は北京オリンピックを支持しており、これを妨害する行為は慎むべきだ。暴力的なデモはいけない」「私はチベットの独立は求めない。中国の一部として外交、防衛は中国がやれば良いが、宗教、教育、言語、文化などの面では広範な自治権を持たせてもらいたいだけで、決してチベットの独立を求めるものではない」と述べている。
 これに対して、中国の態度は、「ダライラマの発言はどうでも、その行為を許すことはできない」と頑なであり、理解できない。中国は、もっと懐を深く、広くして、チベット問題について、ダライラマと話し合いを進め、チベットの自治権を拡大することが、問題解決と世界からの信頼を得る道である思う。
 村上新八