昨年からの原油高騰を切っ掛けに諸物価の急速な値上がりが始まった。
 この勢いを助長したのが「サブプライム問題」である。これで株価が急落し、フアンドや原油輸出国のオイルマネ−が一斉に石油投機に回り、更にガソリン代替のバイオ燃料の原料となるとうもろこしや砂糖黍、大豆などの作物まで投機の対象となったためである。
 今回の物価値上がりは、発展途上国の経済成長に伴う需要増や世界の穀倉オ−ストラリアの異常な旱魃などの影響も加わっているから、そう簡単には収まるまい。
 その上、国内的には、介護や医療費負担の増大とか、やっと救済の光が見えかかっていたところに、今度の世界不況予想に水をぶっ掛けられた格好のワ−キングプア−救済の足踏みも加わり、国民生活は益々苦しくなってゆくばかりなのだ。
 これは「スタグフレ−ション」の始まりなのに、これに対しては、政府は全く他人事のように、無策である。
 この海外発の物価上昇に、待ってましたとばかり、便乗値上げをしている気配が濃厚に感じられる。
 政府は、せめて、この便乗値上げくらいを止めるくらいの政治力を示せ。
 村上新八