台湾の立法院議員選挙だ野党国民党が113議席のうち2/3以上の81議席を取って圧勝した。中国との連携強化による経済発展優先の訴えが奏功したものであろう。
 「台湾の国連加盟の住民投票」「台湾の独立」を謳う現陳総統の民進党は大敗した。中国は静観しているが、親中国政党が大勝したことを本心では喜んでいるはずである。
 しかし、自由と民主主義を基本理念とする中国と経済資本主義、政治は共産党独裁、人権軽視、言論統制の中国とは大違いだ。経済緊密化といっても、一般庶民の生活水準が違う台湾と中国で、どんな互恵関係を作り出せるのかは疑問である。
 「一国二制度」を謳った香港やマカオで、曲がりなりにも、民主の残滓を残しているのも、台湾の中国併合までは、それをを阻害するようなことを避けたいから、というのが本音であろう。
 中国が真に民主化されるまでは、台湾は、陳総統のよう、独立希求などで周辺への刺激策を取らずに、あくまで現状を維持してゆくのが最良策であろう。それは政権に近づいている国民党の責任でもある。
 村上新八