残り任期1年のブッシュ政権は何らかの外交成果の形を残そうと懸命だ。
 北朝鮮への譲歩に続いて、今度はパレスチナ問題についての「中東和平会議」をアナポリスで開催する。
 参加者は、オルメルトイスラエル首相、アッパス議長、瀋国連事務総長、ブッシュ大統領はじめ、英国のブレア前首相など多彩だが、和平会議の継続と次回の予定が決まれば上々の成果であろう。
 イスラエル、パレスチナの主な争点は、国境線、パレスチナ難民の帰還、エルサレムの帰属の三つだが、この問題についての両者の意見対立は何十年も前から同じであり、何一つ進展していないし、何回やっても仕切り直しの繰り返しである。今回も同じことになるのであろう。今回こそは、その対立が解けるであろうと思われる理由は何もないからである。
 しかし、経過行事にしても、こういう機会をもち続けることは悪いことではないとは思うが、それにしても今回の会議はあまりにも思いつき過ぎる。
 中身は何も決まらないであろうが、せめて次回予定でも決まれば上々の成果である。 

 村上新八