アメリカのサブプライムの損失は世界の金融機関を震がいさせた。被害が少ないといわれた日本の金融機関でも現在分かっているだけで3000億円の損失が出ているという。
 しかし、まだ損失額が確定したわけではないから、これからもまだまだ増えるのであろう。そのなかでも、海外での金融取引に遅れを取った三菱UFJだけは被害が少なかったというのも皮肉な現象だ。
 日本のバブル崩壊で損失を蒙ったのは国内の住宅金融会社と不動産会社のみであったが、米国の場合は、その住宅ロ−ンの不良債権を切り分けて他の債権と混ぜて債権化して、格付け会社から3Aのお墨付けを貰って世界中に売り捌いたのだからひどい話である。そのために、当のロ−ン会社は損失を免れたわけである。低所得者に住宅を売りつけるという、ハイリスクを予想してリスクを他に転嫁する作戦が、まんまと成功したのだ。
 牛肉100%と称して、豚肉や内臓肉をひき肉にして売ったミ−トホ−プ並みの詐欺手口である。
 これを見抜けなかった金融機関もバカだが、騙したほうが数段上である。これで、また損を被るのは預金者なのだ。
 この文句はどこにも持っていきようがないのである。
 村上新八