パキスタンの国内が混乱している。
 国際政治上でのパキスタンの意味は次ぎの七つであると思う。
1 イスラム圏のなかで唯一の核兵器保有国である
2 パキスタン北西部には国軍さえも制圧できない地域があり、アルカイダやタリバンの巣になっており、そこを拠点としてアフガンに対してテロ攻撃を行なっている
3 核の闇市場を造ったカ−ン博士の系列が未だに健在である可能性がある。
4 国内に2万ともいわれるイスラム教の学校があり、そのかなりの学校で、貧困層の師弟に対して、過激なイスラム原理主義教育を行なっており、そこからテロ戦士が供給されている
5 国民のうち貧困層はイスラム過激派に対して同情的である 
6 国内でも爆弾テロの騒ぎが頻発して、極めて不安定である
7 ムシャラク政権はイスラム過激派テロに対して「闘争宣言」を出している唯一のイスラム政権であり、テロ制圧の攻撃を行なっている
 こういう国情だから、陸軍参謀長であるムシャラク大統領が軍の力を掌握して統治することに意味があるのだが、これが不人気で、非常事態宣言まで出さねばならない政情である。
 このような、特性を持つパキスタンを手中にすべく狙っているのはイスラム過激派だと思う。パキスタンが過激派の手に渡ったら、世界はとんでもないことになるのだ。
 世界はパキスタンの安定化とテロの砦としての機能の維持に力を貸すべきである。
 村上新八