日本の弁護士数は2万1千人、アメリカは106万人、弁護士一人あたり人口は、アメリカは265人、日本では1400人くらいになるが、日本の場合はアメリカと違って、弁理士、司法書士、行政書士などに分かれているからこれをあわせると16万人くらいになり、一人当たり809人になる。これでもアメリカの1/4である。
 これを是正しようと、年3千人増が計画されているのだ。
 しかし、日本の場合はアメリカと違って弁護士の需要が少ない。弁護士に頼むと、余計にややこしくなるから、という理由で当事者同士の話し合いで解決することが多いからである。相手が弁護士を頼んだ場合はやむを得ず頼む、という感じである。だから、生涯、弁護士の世話にはならなかった人が殆どであると思う。
 また、現在でも年に5百人くらい増える新人弁護士の就職は中々困難であるというのが実情なのだ。
 その国情を考慮しないで、頭数だけ揃えよう、というのはいかにもお役所的発想である。弁護士会でも法務省でも年3千人増員計画の見直し機運が出ているが、当然であろう。
 アメリカのように、弁護士社会でない日本こそ好ましい社会と言えるのではなかろうか。
 村上新八