核大国を自認する金正日は、韓国の盧大統領を一段下に見下したような態度で首脳会談では主役を貫いた。
 ここで合意したのは、6者協議の重視と朝鮮戦争終結以来そのままになっている「休戦協定」を「平和協定」に変えることだけだった。
 金正日が6者協議で核放棄をするなどは「疑似餌」に過ぎない。これを餌にして石油と食糧を騙し取ろうとしているだけだ。
 核放棄したリビアには、まだ核兵器はなかったし、石油資源があったが、核を持っている北朝鮮には核とミサイル以外には何一つないのだから、リビアとは全く違うのである。
 金正日ずいままで交渉の武器としてフルに使ってきたのは、核とミサイルだけだし、金正日から核を取ったら何も残らないのだ。だから、核を手放すことなど絶対にあり得ない。
 金正日の作戦は、核を手放すふりをしてアメリカの敵視政策を緩和させ、韓国とは平和協定を締結して、米軍を韓国から追い出し、その後、核とミサイルで韓国を脅して呑み込もうとするものだ。
 今回の韓朝主脳会談は、その始まりなのだ。韓国も米国も、今後も金正日に騙され続けるのだろう。
 日本はその騙しにひっかかっては絶対にならない。
 村上新八