現代イスラム研究の専門家、静岡県立大の宮田准教授は、対テロ戦争に巻き込まれて、4,5千人の民間人が死んでおり、現地人の怨嗟は凄まじいものがあると言う。だから、自衛隊による米軍の後方支援は、このような行為に加担するものだと見られているのだ。現地で評価されているのは日本の支援で建てられた病院や学校だ、と述べている。
 民間人のなかに紛れ込んでいるアルカイダを攻撃すれば、民間人も犠牲になるのは確かである。だから、アメカイダを徹底攻撃できず、アフガンの戦闘はずるずると続くばかりで、出口など見えない。
 政府がアフガンのテロが外に出てこないように海上で監視するためと言っている、インド洋上で補給している燃料もどんな役割に使われているのかは分からない、と米海軍の司令官が言っているのは、正直な話であろう。
 こういうことを考え合わせると、テロ撲滅のための日本の貢献の在り方そのものを抜本的に考え直す必要があると思わざるを得ないのだ。
 民主党は、国連の決議に基づく活動ではないから、ということをテロ特措法反対の根拠としているが、それだけではなく、別の角度から考え直すべき問題であろう。
 村上新八