先の内閣で頻発し、これが安倍内閣の不支持につながる要因の一つになった「政治とカネ」の問題は改造したての内閣にも引き継がれてしまった。
 今回は閣僚らについては厳重な「身体検査」と称する、疑念なしの確認調査を行なったはずであったが、それにも拘わらず問題を指摘された閣僚、政務官、官房副長官は4名にも上っているのだ。
 なかでも、許されないのは、農水相がトップであった農業団体が被害農民の数を水増しして補助金を騙し取った事件だ。この騙し取ったカネは農水省にやっと返還はされたが、泥棒して、取ったカネを返したからといって罪を免れることはできないのだ。
 これについて、安倍は「きちんと説明する必要がありますね」と述べただけ。きちんと説明するも何も事実ははっきりしているし、それについてなんの争いもないのだから、謝るしかないのだ。
 安倍はここで処理を間違うと、またまた「危機対応力」の拙劣さを問われて、折角少し上がったご祝儀相場支持率を逆戻りさせるどころか、さらに急落させることになるのだ。
 村上新八