前九州厚生局長が管轄する補助金交付先である社会福祉法人の前理事長から、高級車3台とか自宅の改築資金1500万円、ときどきの小遣いとして3万円から20万円を何十回にわたって受け取っていたという問題が露見した。
 実際にこの福祉法人は、今までに何十億円もの補助金を厚労省から受け取っているのである。
 両人は、補助金の授受で手心を加えたことも加えられたこともない、と言っているが、やっていても、それを素直に認める者はいないから、そんな申し開きは信用できない。
 この問題について、前局長は、もらった相手の理事長の妻と自分の妻が従姉妹同士だから、親戚付き合いのうちだと抗弁し、相手の理事長は「何が悪いのか教えてくれ」と開き直るというふてぶてしさだ。こいつらには、「悪事」という意識さえも希薄なのである。
 しかも、この局長は2,3ヶ月に前に退職したばかりだという。
 これは、ことの性質からして内部告発によって露見したものと思われるが、何十年も前からやっていたことが、何故退職後の今になって露見したのか、不思議でならない。
 退職後だから、職務に関して金品を収受したという収賄とか、公務員倫理違反に問えるかどうかも分からないという。退職すれば、罪に問わないという法自体もおかしいのだ。
 それも見越して内部告発したとしてもおかしな話である。
 枡添新厚労相就任早々に、待ってましたとばかりに、降って湧いたような事案だが、彼がどういう対応をするのか試金石でもある。
 村上新八