市町村の選挙管理委員会のなかには、午後8時までとなっていた投票時間を切り上げたり、投票用紙を有権者の数以下に削減したりするところが増えているという。
 時間切り上げは、市町村合併で投票所が分散し、開票所から遠隔化になったため、開票終了が遅くなるのを防ぐため、投票用紙の削減は、棄権率を見越して用紙のムダをなくすためだという。
 元総理の森喜朗氏が、反自民が多い無党派層の投票を嫌って「無党派層は投票日に家で寝ていてくれればよいが」と口を滑らせて、こっぴどく批判されたことがあったが、投票時間の繰上げなどは、これに類するものである。
 昨今降下が激しい投票率をいかに上げるかが、選挙管理委員会の仕事の一つであるはずなのに、投票は午後8時まではOKという認識が定着しているなかで、これを繰り上げるというのは本末転倒も甚だしい。
 開票終了時間を早めるよりも、投票率を上げることが大切なことは言うまであるまい。 

 投票用紙の削減も、予想が外れて投票用紙が足りなくなれば、代替用紙の投票では無効になるから、選挙妨害になるのだ。こんなことをやるよりも、投票率向上にこそ力を注ぐべきではないか。
 これらは、広義の選挙妨害であると言っても過言ではあるまい。断じて容認すべきではない。
 村上新八
 村上新八