北朝鮮は、韓国からの重油の到着で、寧辺の実験炉の封印の方向へ動く気配は見せている。IAEAの監視員も入国したことで、第一段階はやっと緒についたかのように思われる。しかし、この水準は、厳密に言えば、かつてうまうまと騙された94年合意の線に戻ったに過ぎない。
 北朝鮮は、レイムダッグ化して、何とか実績を残したいと焦っているブッシュ政権の足元を見透かして、「行動対行動」などという勝手極まる因縁をつけて、騙しと詐欺を始めようとしているのであろう。
 第二段階は、「核施設の無力化」のはずだが、これを「核計画の公表」に変えようとしているのも「騙し」の兆しなのかも知れない。その段階で「テロ支援国家」の指定解除を要求したり、「拉致問題は解決済み」の合意を要求してくる可能性は充分あるのだ。
 「ならず者国家」の本質は何一つ変わってはいない、という基本認識を固持してことに当たらないと、「再再度騙される大バカ」にされかねないことを肝に銘じておくべきであろう。
 村上新八