NHK教育TV「サイエンスZERO」人工筋肉特集を見ました。

その冒頭に登場したのが、マッスルスーツと称するパワードスーツ。こ
いつは空気で膨らませるゴムチューブを倍力装置に利用するタイプで、
まあいってみれば、あの「学天則」の親戚筋にあたる代物。なんか岡山
のほうの大学で開発されているもののようでしたが、そこら辺はちょっ
と見逃しました。

んで、解説にいわく、モーターとか歯車でパワーを出すタイプのスーツ
(具体的な名前は挙げてませんでしたけど、要は筑波大のロボットスー
ツみたいなやつでしょう)に比べると、操作感にしても動作にしても、
柔らかさが出せるのが利点とのこと。そういえば、学天則でゴムチュー
ブが採用されたのも、生物的な動きを実現するためだったとか、何かで
読んだ気がします。

ちなみに番組中では、上半身だけのモデルを着用した人物が別の人物を
抱き上げるというおなじみのデモのほかに、下半身だけのモデルを着用
した下半身麻痺の障害者が、スーツの力で実際に歩行する映像も紹介さ
れまして、さすがに後者にはかなりのインパクトを感じました。
# なぜ全身のモデルが登場しなかったのかは不明。単に登場しなかった
# だけなのか、まだ開発中なのか、それとも不要という思想なのか。

ただ、このマッスルスーツという代物、空気の関係か電源の関係か、ず
るずるケーブルを引きずる形になっとりまして、そこら辺が実用的には
かなり難アリのように見えました。あるいは開発が進めば、完全に独立
した形にできるのかもしれませんが、それなりのパワーを発揮するには
それなりの容積の空気を出し入れする必要があるわけで、そのためには
それなりの規模のポンプが必要なのではないか、それはどのくらい小型
化できるものなのか、とか。素人目にはちょっと疑問。

ま、それはさておき、そんなケーブルずるずるの映像を見てて、ふと気
づいたんですが、「なんかこれ、エヴァみたい」です。そう思ってみる
と、歯車ではなく筋肉云々という部分も含めて、似てる気がします。と
すれば、実用化の初期段階には、たとえば介護施設内とかに場所を限定
したうえで、行く先々のソケットにケーブルを接続して動かす、という
のもアリか。でも途中の移動が大変そうだから、やっぱナシか。それな
らいっそ、各部屋にスーツを備え付ける? とか考えたり。

番組のほうは、このあともっと本格的な(本物に近いタイプの)人工筋肉
の話に移っていったんですけども、そっちの研究が進展したときこそ、
マッスルスーツ的なパワードスーツの真価が発揮されるのかもしれませ
ん。

で、そんなことを考えながら、さらにふと思ったんですけど、もしもマ
ッスルスーツが「エヴァ」ならば、筑波大のロボットスーツはさしずめ
「ガンダム」なのか? と。一応、自立した活動が可能だとか、伝統的な
ロボのイメージに一致してるとか、そんな意味で。別に、好みによって
はガンダムじゃなくて、マジンガーでも鉄人でもいいんだけど。つか、
この辺の違いがホントに開発者の世代を反映してたりしたら、ちょっと
微笑ましい。かも。

世代とは違うけど、知能重視のアトム派閥や、コントローラー重視の鉄
人派閥、コクピット重視のマジンガー派閥なんてあたりは実在してるっ
ぽいし、生体部品でも何でもアリなのがエヴァ派閥、なんてこともなく
はないかな、とか。
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AMAUMA