参院選を控えて逆風続きの安倍は、政権の実績を示そうと立て続けに法案を強行採決したり、年金問題のほとぼりを冷まそうと、投票日を延期したり、不人気挽回に大童である。
 が、自身のかっての人気の根源であった拉致問題の進展について、ヒル次官補の訪朝に期待していたのであろう。
 しかし、拉致問題に関する北朝鮮の反応さはゼロ、ヒル次官補も「米国が日朝間問題、拉致問題に関心を持っていることを強調してきた」程度のものであった。全く、追い風にはならなかったどころか、北朝鮮に、「核放棄へのポ−ズ」をちらつかせる作戦で、アメリカを落せる、拉致問題などは益々影を薄めるはずだ、と自信を深めさせただけに終わったのだ。
 金正日の取り巻きは、さすが偉大なる将軍様は、超大国アメリカを手玉にとられている、と小躍りしているのであろう。
 村上新八