社保庁業務の解体、民間化、天下り公認の公務員改革、おためごかしの年金無時効法案等など、自民党ごり押しの欠陥法案が次々と罷り通っている。
 この基本原因は、05年の「郵政民営化の国民投票」だと銘打った総選挙で、劇場選挙だの刺客選挙だのと面白がり、はしゃいで、国民が自民党を勝たせ過ぎ、衆院での絶対多数を与えたためである。
 絶対多数があるから、何でもできるのだ、参院選を控えているから、あまり強引なことをすると有権者の反発を食うから、少しは手控えてはいるのだろうが、それでもこのような独裁国家的な横暴ぶりである。それで、安倍政権の実績を認めさせよう、としているのであろうが、それは大間違えではないか。
 民主主義は、政権政党が緊張感をもって、政策設定、政権運営をやることで価値があるのだ。そうでなければ、政権与党支持者だけの民主になって、野党支持者の民主が無視されてしまうからである。
 そのためには、政権与党勢力と野党勢力に、ほぼ勢力が二分されていて、政権与党が緊張感をもって政権運営をやらざるを得ない状況が一番好ましいのだ。
 今の勝たせ過ぎ自民党に勝手なことをさせないように、来る参院選では是非とも野党を勝たせねばならない。
 村上新八