ライブドアの粉飾決算事件で、東京地裁は堀江被告に懲役2年6ヶ月の実刑判決を下した。
 初犯であり、粉飾決算で懲役3年以内なら、執行猶予が付くのが普通だが、そうはならなかった。
 その判決理由として、「時価総額世界一という自分勝手な夢を追って、自己の利益を図るために、20万人もの株主や投資家を騙し、多大な損害を与えた悪質な詐欺行為である」ことを指摘した。
 しかし、それだけではないと思う。それは堀江の姿勢によるものだと思う。
 事件について、法廷でも、自分がライブドアのCEOであるにも拘わらず、無罪を主張し、終始「自分は知らなかった」「証拠はでっあげられたのだ」と主張し続けた堀江は、株主に対する謝罪の言葉も反省も全く示さなかった。
 判決のあった夜にニュ−ス番組に出演した堀江は、「株主に一言」とか「経営者としての社会的責任として一言」というキャスタ−の再三の誘いにも、取材や反省の言葉は全くなく、自分に
不利な証言をした、部下への恨み言を述べたのみであった。
 終始変らぬ、このような堀江の不遜な姿勢が、判事たちの心象を害したのも実刑判決の大きな理由ではないかと思うのである。
 村上新八