朝日新聞の世論調査では、7月で期限が来るイラク特措法を延長して自衛隊の航空隊がイラクでの空輸を継続することには、70%近くが反対している。しかし、これは延長されるのであろう。
 これとは別に政府は独自の中東外交を始めた。その一つは、ODAの一環として、ヨルダン川西岸に果物加工の団地を造り、アラブ諸国とイスラエルとの信頼醸成を目指そうとするプロジェクトである。
 現地では、日本がカネを出して、雇用機会をつくるというのだから歓迎するだろうが、この団地の利権を巡ってイスラエルとパレスチナの新たな争の種を蒔くことにならない保障ができるのだろうか。
 いまひとつは、イラクのスンニ、シ−アの両宗派とクルドの代表を招いて、日本の戦後復興や北アイルランド、東チモ−ルなどの和解の事例を説明して、イラク内戦収束への動きを促そうとするものである。
 しかし、イラクの内戦とこれらの事例とは性質が全く違うものだから、木に竹を接ごうとするようなことになるのではなかろうか。そこのところを良く考えた結果とは思えないのだ。
 それよりも、自衛隊がサマ−ワで人道、復興援助をした、浄水設備や医療機器の多くが故障したり、補修部品がないために使えなくなっているという。これを修復するのが先決ではないか。そのほうが日本に対する信頼は高まるはずだか。
  村上新八