From(投稿者): | "流星" <ryusei_y7@hotmail.com> |
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Newsgroups(投稿グループ): | fj.rec.poems |
Subject(見出し): | 海溝の上を行く |
Date(投稿日時): | Sat, 20 Sep 2003 17:44:04 +0900 |
Organization(所属): | DION Network |
Message-ID(記事識別符号): | (G) <etUab.9$sd1.0@news7.dion.ne.jp> |
いつしか 海溝の上を歩いているようだ 銀鱗のうなぎの稚魚が へらへらと笑っている声がする 海溝の薄汚れた小道を 靴べらのようなものたちの声が 見たこともない記憶を胸に 生きながらえている声が へら へらへらへら いつかこんな色彩が 海溝の上に現れることを予感していた 海溝には底がある だが 底には海溝がない 底には 底なしの海が泳いでいるだけだ 私の足元の下を 底なしの海がのらりのらりと 通り過ぎていく どこかで 笑い声のような 波の音 海溝の薄汚れた小道あたりから 聞こえてくる 海溝の上で 息を吸い込んで さあ 行くとするか