来日しているチェイニ−副大統領の目的が分からぬというが、基本的には崩れつつあるイラクでの「同志グル−プ」の綻びの拡大を防ぐためであり、そのための三つの狙いを持って来ていると思う。 
 米国が最も頼りにする同盟国であるイラクの駐留イギリス軍は漸時撤退を決めた。これは2万人の増派を始めたブッシュ政権にとっては、大きな痛手であり、これが他の「同志グル−プ」のイラク撤退ム−ドの切っ掛けとなっては大変なのだ。
 日本は、まだ航空自衛隊を残して、イラク駐留米軍の空輸支援をしているが、これまで撤退されては大変だと、これを予防するねらいが第一の目的だと思う。
 第二は、米国のイラク政策を非難している久間防衛大臣に対して不快の念をあからさまにし、安倍政権の閣内で、そのような傾向が加速されないように牽制することである。
  安倍、麻生とは会談するが、久間との会談は断ったのは、その意志表示をするためである。
 第三は、安倍人気の源である「拉致」問題解決に協力する姿勢を示すことによって、ギブアンドテイクの姿勢を示すことである。
 防衛大臣との会談は断っても、横田めぐみさんの両親との面談を計画しているのは、そのためである。
 村上新八