6者協議の合意成立で、喜んだのは金正日とイランだ。
 この合意で、核兵器開発には役に立たなくなた寧辺の原子炉の封鎖とAIEA査察受け入れと交換に石油を手に入れられるし、完成品の原爆数発や使用済み燃料の再処理設備や濃縮ウランは温存できたし、寧辺の原子炉封鎖にも60日の余裕があるから、その間に使用済みの燃料棒を引き抜き、これを再処理に回して、フルトニュ−ム抽出することも出来る。更に、合意は穴だらけだから、これに難癖をつけて履行しないで済ませるネタも一杯ある。
 こんなに目出度い合意を勝ち取ったのは金正日将軍様の強引な原爆開発と実験強行とゴネ外交戦術の偉大な知恵のお陰だ、というわけである。
 かたわらイランは、これで「原爆を持てば、持った奴が勝ちだ」ということが証明された。これからは、「ゆけ、ゆけ、どんどんだ」と核開発に一層拍車を掛ける自信が出来たことで、大喜びしているであろう。
 慌て者ブッシュの完全な敗北である。
 村上新八