茨城県で7年も前に発生した保険金殺人事件が、死刑判決で上告中の被告人の上申書で、発覚したという。
 これがなければ、あまりにお粗末な完全犯罪になるところであった。
 肝硬変などで患っている被害者を家族が共謀して、無理やり大酒を飲ませて殺害、病死にみせかけて1億円もの保険金を詐取したというのだ。
 遺体は辺鄙な山中で発見されたというのに、警察は、解剖もせず、病死として片付けてしまったものである。
 近隣の人たちも、瀕死の病人がそんなところまで行けるはずがない、と不審がっていたという。
 「多額の保険金」「変死」、これだけでも、警察としては、犯罪性を認識しなければならなかったはずである。
 この件について、県警幹部は「当時としてはやむを得なかったと思うが、結果は間違いであった」と訳のわからないことを言っているが、仲間を庇うにしてもほどがあると言いたい。
 これは、団塊世代のベテラン刑事の大量退職で捜査力が低下する云々とは全く関係のないお粗末極まる一件である。
 村上新八