Kanon 第16話
携帯@です。
Kanon 第16話「真夜中の聖譚曲(オラトリオ) 〜oratorio〜」について雑感など。
^L
●全体を通して
前作では秋子さんの病気に関しては第6話、それ以外の栞に関する部分は第9話で
描かれた、栞と祐一とのデートと、栞の病気のことが明らかとなる話です。
まずは舞と佐祐理エピソードの結末から。前作では最終話までフォローありません
でしたが、本作はこの辺りの後始末をきっちりとやって来ます。舞の超能力が前作よ
りも強力(原作のゲーム通りかもしれませんが)な関係で、しばらくは話に介入出来
ないことが確定。舞が最後の奇跡を起こすとか、密かに期待していたのに(ぉぃ)。
今回の見所の一つ、栞とのデート。前作では祐一との誕生日前の一週間として描か
れた部分ですが、これまでの栞と祐一とのエピソードをきっちり踏まえた上でのお話
となっていて良かったです。
それと今回のもう一つの見どころの香里の告白シーン。前作で語っていたことがか
なり削られていた所為で、その点は「?」という感じがします、この辺りは後の話で
出て来るのでしょうか…。
そんな事情からか、感想を書くに辺り前作第9話を見返したのですが、同じような
話を描いているのに、前作の方が遙かに泣けたような気がします。前作は一気に話を
進めているからかな…。本作ではこの後、どう見せてくるのかに期待したいところで
す。
それ以外の点としては、秋子さんの風邪のエピソードを通じて、名雪が意外としっ
かりさんであることが明らかとなったり、あゆがいなくなった母親のことを想ってい
たりとか、病院とのつながり(笑)が見えて来たりとかも今回のポイントでしょうか。
それと、祐一が他の女の子と遊び回って、思う所が山程ありそうな名雪が可愛いで
す。
●アバンタイトル
名雪「祐一は?」
秋子「病院。お友達のお見舞いですって」
名雪「あゆちゃんも一緒?」
秋子「みたいね。はい、お茶」
名雪「ありがとう」
部活を終え帰宅した名雪は、秋子から祐一があゆと友達のお見舞いに病院に出かけ
たと聞かされる。
# 名雪はもうすぐ駅伝なのだとか。そう言えば前作でもそんな出来事がありました。
# 祐一が病院と聞いて、あゆちゃんも一緒? …とすかさず訊ねた名雪。その後の表
# 情と言い、何か思う所がありそうです。
●佐祐理&舞退場
佐祐理「ええ。季節はずれのクマに襲われたって話しておきました。学校の方は…」
祐一「校舎はぶっ壊れたけど、授業に差し障りのある程じゃない。たちの悪いグルー
プの悪戯だろうってみんな思ってる」
あゆ「舞さん一人で学校を壊す事なんて、できっこないもんね」
(中略)
あゆ「舞さんは?」
舞「春には退院できそう。卒業式には間に合わないと思うけど」
祐一「そうなのか。残念だな」
(中略)
舞「まだ、頭が整理出来てない。でも、時間をかければ、少しずつ落ち着いて考えら
れるようになると思う。ありがとう。祐一。本当に」
祐一「あ…。お前はやっぱり凄い奴だよ。辛いことから目を背けないで、ちゃんと、
受け止めようとしているんだから」
舞「辛いことから目を背けようとしている人は、祐一の側にいる」
祐一「え?」
舞「力になって上げて欲しい。私の力はしばらく戻らない。私には、何も出来ないか
ら」
舞と佐祐理を病院に見舞った祐一とあゆ。
自らの力で生み出した魔物と戦ったことにより怪我をしたため、佐祐理と同じ病室
に入院した舞は、春まで入院することに。
佐祐理は怪我はクマに襲われたと警察に話し、また魔物に破壊された学校もあまり
に破壊の規模が大きいことから、舞に疑いの目が向けられることは無かった。
祐一にありがとうと言う舞。
辛いことから目を背けていない舞を凄いという祐一。
すると舞は、辛いことから目を背けている人が祐一の側にいるという。
力がしばらく戻らない舞は、力になって欲しいと祐一に依頼するのだった。
# 強力な超能力を持っているために、作品をぶち壊しかねない舞。やはりというか、
# 力をしばらくの間使えない設定にしましたか。
# 前作では入院していたのに何故か制服姿で抜け出てきた佐祐理さん。本作では舞と
# 一緒に仲良く入院ですか。前作には出ていた卒業式、本作では本当に間に合わない
# のかな。
# 成る程、思い切り派手に壊せば、舞には疑いが向かないんですね。それは流石に思
# いつかなかった……って、そんな馬鹿な! それ以前に警察の現場検証とか、ちゃ
# んとやったんでしょうか。
# 季節はずれのクマに襲われたことにしたらしい佐祐理。それはそれで、全国区のテ
# レビニュースの話題になってしまいそうですが。
# 辛いことから目を背けている人…。最初観た時はあゆか名雪か…と思ったのですが、
# 良く考えてみると香里のことですか。舞は栞のことを階段の踊り場から見ている香
# 里の側を通っているのですが、その時に知ったのかな。ひょっとしてテレパス?
●お年寄りは好きかもしれない>病院
あゆ「ううん。僕も舞さんのこと好きだもん。でも…。ちょっと、ここは苦手かも」
祐一「ま、病院が好きな奴ってのは、あまりいないからな」
(中略)
あゆ「わー。久しぶりだね」
栞「お二人とも風邪ですか?」
祐一「友達の見舞いだ。うぐぅは風邪ひかないって言うだろ?」
あゆ「言わないよ! むー」
栞「お二人とも、相変わらずですね」
あゆ「僕、月宮あゆ。自己紹介するのは、初めてだよね」
(中略)
祐一「こいつが、どうかしましたか?」
女医「あ、ごめんなさい。何でも無いの」
(中略)
あゆ「栞ちゃん、何の病気なの?」
祐一「ただの風邪、と本人は言っている」
あゆ「ふーん」
祐一と一緒にお見舞いに来たあゆは、舞のことを不思議な人だという。
廊下で栞と出会った祐一達。
久しぶりに会った栞に自己紹介するあゆ。
その時、栞に呼びかけた女医は、あゆを見て「あら?」となるのだが…。
# 病院が嫌いだとか、女医があゆを見て何か感じるとか、思いっきり伏線ですなぁ。
# 肝心のあゆは病院で何も感じないんですな。
●不眠症の香里
香里「私、もう行くわ」
香里の母「朝ご飯は?」
香里「急ぐの。部活かあるから」
香里の母「香里。もう少し、あの子の話し相手になってくれないかしら。あなたの気
持ちも判るけど…」
香里の家。朝食も食べず、学校へ行こうとする香里。
香里の母は、香里にあの子の話し相手になるように頼むが、香里は無言で出て行っ
てしまう。
# 香里の家&部屋初登場。香里が朝食も食べずに出て行くのは、栞と顔を合わせたく
# ないからでしょうね。ところで、香里の部活って何だろう…。
●敵前逃亡はいけません
あゆ「だから、僕が秋子さんの代わりに、朝ご飯を作ってるんだよ」
祐一「おっと、俺も部活の朝練が」
あゆ「祐一君帰宅部」
(中略)
あゆ「アハハハ。やっぱり、お料理って難しいね」
祐一「ぎろ」
あゆ「うぐぅ。ごめん、祐一君」
朝。ダイニングに入って来た祐一を出迎えたのは、エプロン姿のあゆ。
秋子さんがまだ寝ているので代わりに朝食を作っているというあゆ。
祐一は部活の朝練と言い逃げ出そうとするが、あゆに帰宅部と突っ込まれ食べる羽
目に。
案の定、あゆの作った朝食は黒こげの酷い一品なのだった。
# 慌てて出て行った名雪。朝練に遅れそう…では無くて、あゆの朝食から逃げたんで
# すね(汗
# あゆの作った朝食。またまた黒こげのトースト。トーストをどうやったらここまで
# 黒こげに作れるのかと…(略)。
●秋子さんが大変なことに〜
あゆ「秋子さんが、秋子さんが! 僕のお母さんみたいに」
(中略)
秋子「祐一さん。今日は早かったですね」
(中略)
祐一「何だ。あゆが焦ってるから、よっぽど重病なのかと思いましたよ」
(中略)
あゆ「僕、今日は一日、秋子さんの看病をしているよ」
祐一「止めても聞かないんだろうな」
あゆ「うん。だって僕、秋子さんのこと、大好きだから」
結局朝食を食べ損なったまま学校に出かけた祐一。
パンをコンビニで買ってと考えていると、あゆが慌てて走ってやって来る。
家に戻るとあゆが慌てていたのは、秋子が熱を出していたため。
あゆの慌て振りから重病かと思った祐一は拍子抜け。
あゆは、秋子のことを一日看病すると言う。
# 僕のお母さんみたいにって、あゆの母は病死というとなのかな。
# 慌てて帰って来た祐一に「今日は早かったですね」って秋子さんのボケ。天然かそ
# れともわざと言っているのか?
# 確かに秋子さんは重病では無さそうですが、祐一も「何だ」という返答は無いかと。
# 秋子さんの看病をしているよ。秋子さん一人でいるよりも心配だ。
●あゆの家族はそう言えば…
名雪「もしもし。名雪だよ。ごめんね、迷惑かけちゃって」
祐一「急げよ。休み時間おわっちまうぞ」
名雪「うん。…薬局なら、商店街にあるよ。お金はある? うん。じゃあ、大丈夫だ
ね。私も、授業が終わったら、急いで帰るから。うん。うん、それじゃあ」
名雪「お母さんのお手伝いした時に、貰ったのがあるって」
祐一「そうか」
(中略)
祐一「あいつ、母親がいないんだ。それでちょっと、敏感になってるんだろう」
名雪「そうなんだ。じゃあ、旅行中のお家の人って言ってたのは、お父さんのことな
のかな」
風邪の秋子も心配だが、それ以上にあゆの方が心配だった祐一達は家に電話。
風邪薬が無いために薬局の位置を聞かれた祐一は、その場所を知らないため、名雪
が教えてやるのだった。
一緒にいてあげた方が良いのかと心配する名雪に、祐一はあゆに母親がいないから
敏感になっているだけだと教えるのだった。
# 薬局なら商店街にあるって、具体的な場所を教えないで良いんでしょうか。
# 商店街を普段うろうろしているあゆが薬局を見たことが無いと言うのも…。
# 秋子さん、真琴だけじゃなくてあゆにもお小遣いをあげていたのか。^^;;;;
# 家族は旅行中と言ってましたが、そう言えばお母さんがいなくなったとか過去に言
# っていたこと、すっかり忘れてました。
●頼りになります
名雪「もしもし。お雑炊の作り方教えるから、聞いてくれる? 側に、紙とペンあ
る? まず、夕べのご飯が残ってる筈だから」
あゆ「うん、うん、判った。やってみるね」
名雪「うん。やってみて。ファイト、だよ」
名雪「ん? どうしたの祐一」
祐一「お前もいざとなると、頼りになるな」
次の休み時間にも家に電話した祐一。
薬は買えたものの食後に飲むもののために食事を作る必要があったのだ。
コンビニに行けばレトルトのお粥があると祐一は言うが、あゆは秋子を一人にする
のも心配だと言う。
二人のやり取りを横で聞いていた名雪は、あゆに雑炊の作り方を教えてやる。
そんな名雪の姿を見て、感心する祐一なのだった。
# 薬が食後かどうか以前の問題として、昼食はどうするのかとか考えなかったのか>
# あゆ。
# 前作ではいきなり雑炊の作り方を名雪が教えていましたが、コンビニでレトルト買
# えば良いって、それは確かに。^^;;;;
# 頼りになると言われて名雪が嬉しそうな表情なのが何とも。
●忘れていなかった約束
祐一「ああ。今名雪があゆに電話してる所だ。俺がいても役に立たないからな」
栞「そうですか。ごめんなさい。私のために時間を取らせてしまって」
祐一「良いって。それより、明日日曜日だけど、時間あるか」
栞「え?」
祐一「前に、言ってたろ。その内、遊びに行こうって。良かったら、一日つき合う
ぞ」
次の休み時間に栞と会っていた祐一は、明日の日曜日に遊びに行こうと言う。
# これまで祐一がやたらと頼りなかったのは、栞と出会う時間を作るため(違)?
# 第13話で栞と約束してましたね。作中時間だと4日前です。
●戦場の跡
祐一「相当苦労したみたいだな」
(中略)
秋子「ええ。この子のお陰です」
あゆ「お母さん」
秋子「フフ…」
放課後。寄り道せずに帰宅した祐一を出迎えたのはピロ。
台所はあゆが苦戦した跡がそのままに。
秋子さんの部屋を祐一が訪れると、秋子は既に起き上がっていた。
そして側ではあゆが寝ているのだった。
# 前作では一応ちゃんと雑炊を作れたのに…。
# 一人にしたくないと言う割には、スーパーで買い物をして来たように見えますが。
# 秋子のところで「お母さん」と寝言を言うあゆが可愛い。
●栞とのデート
祐一「お前の…風邪の具合はどうなんだ」
栞「一進一退といったところです」
祐一「お前もさっさと治して、学校に出て来いよな」
栞「そうですね」
(中略)
栞「あ、私、絵を描くのが趣味なんです。今日はお天気も良いし、どこかでスケッチ
をしようかと思って。祐一さんの似顔絵も描きましょうか?」
祐一「俺なんかが、モデルで良いのか?」
栞「そうですね。やっぱり止めましょうか」
祐一「うぐぅ」
栞「冗談です」
翌日。約束通りに栞と遊びに出かけた祐一。
スケッチブックを抱えていた栞。
どこかでスケッチをしようと思っていた栞は、祐一の似顔絵も描こうかと言う。
# そう言えば、絵画が趣味でしたか>栞。
# 祐一、そこでうぐぅと言いますか。あゆが聞いたら怒ります。
●これまでの経験故に
栞「あ、あれって、ゲームセンターですよね。私、一度で良いから入ってみたかった
んです」
祐一「ゲーセン、入ったこと無いのか」
栞「はい。生まれてから一回も」
祐一「まさか、お前も狐か狸じゃ無いだろうな」
栞「何の話ですか?」
(中略)
祐一「俺…0点って初めて見た…」
栞「どうせ私は反射神経無いですよ」
祐一「いやぁ。ここまで完璧にタイミングを外すのは中々出来る技じゃ無いぞ」
栞「そんなこと言う人、大嫌いです」
ゲームセンターを見て、入ってみたかったという栞。
生まれて初めてゲームセンターに入った栞はもぐら叩きに挑戦。
栞は反射神経が鈍くあり得ない0点というスコアを出してしまうのだった。
# ゲーセンに一度も入ったことが無いと聞いて、狐か狸という祐一。前作では栞と遊
# んでいたのは真琴の正体が明らかとなる前の出来事だったので、シリーズ構成が変
# 更になったが故の台詞ですなぁ。
# 栞が反射神経0なのは、元のゲームからでしたっけ。祐一の言葉に、栞の口癖の
# 「嫌いです」に「大」がついちゃいました。
●思い出の場所
祐一「あゆが木にぶつかって、お前が雪まみれになったことはな」
栞「私は、全部覚えてますよ。あの日のこと。私にとっては、大事な思い出です」
祐一「思い出って言う程、昔じゃないだろう」
栞「思い出に時間は関係無いです。その人にとって、その一瞬がどれだけ大切だった
か、それだけだと思います」
祐一「そんなに、大層な一瞬だったか? あれって」
栞「だって、あの時の祐一さんとあゆさん、面白かったですから。私、家に帰ってか
らずっと笑ってました。本当に、涙が出る位。笑ったんです」
次に栞が来たのは、祐一とあゆが、栞と初めて出会った並木道。
祐一達と出会った時のことを大事な思い出だという栞は、その時のことを家に帰っ
てからずっと笑っていたと言う。涙が出る位に。
# 家に帰ってからずっと笑っていたという栞。その表情が暗いのがポイントでしょう
# か。
# 前作はこの場所で「そろそろラストシーンです」という名台詞があったのですが…
# 本作では出ないのかな。
# あの時の栞はお菓子を山程買っていて、その晩には自分で消えようとして……。佐
# 祐理シナリオとネタ被りまくりですな。
●流石に全長10メートルは無理でした
栞「そして、ここがもう一つのお気に入りの場所です」
祐一「誰もいないな」
栞「良かったですね。貸し切りですよ」
(中略)
祐一「フン。やっちゃいけないことをやっちまったな。お嬢ちゃん」
(中略)
栞「石を入れるのは禁止ですよ」
(中略)
祐一「俺は質より、量で勝負だ!」
栞のもう一つの場所である噴水のある公園にやって来た祐一達。
公園には誰もおらず、二人は雪合戦や買い食い、そして巨大な雪だるまを作るのだ
った。
# 雪合戦。栞は確実に顔に命中させているのに、数で勝負の祐一の玉は全てあらぬ方
# 向へ。もちろん祐一はわざとやっているんでしょうけどね。
# 公園内の売店で買い食いの祐一と栞。栞、ここでもアイスですか(汗)。
# 第5話で栞が希望した大きな雪だるま。全長10メートルとは行きませんでしたが、
# 祐一の背丈位はあります。でかっ。
●栞のスケッチの腕前は……
祐一「正直に、言って良いか?」
栞「はい」
祐一「お前は、あまり似顔絵は向いてないと思う」
栞「普通そう思っても、そこまではっきり言いませんよ」
祐一「だったら、味のある絵だ、とか?」
栞「それもあまり嬉しくないです」
祐一「これ、貰って良いか?」
栞「え?」
祐一「せっかく描いてくれたんだ。それだけでも嬉しいよ」
栞「あ…はい!」
噴水の縁に腰掛け、祐一をスケッチする栞。
完成後、見せてくれという祐一だが、何故か栞は渋る。
祐一が栞から奪うようにして見たスケッチの出来は……。
だが祐一は、そのスケッチを貰って良いかと聞く。描いてくれただけで嬉しいと。
その言葉に栞はとても嬉しそうだった。
# 栞のスケッチを描いて貰うエピソードは前作でも印象的でした。本作では貰いまし
# たか。祐一も、褒め方を判っているという感じですね。
●栞の告白
栞「楽しいと、時間ってあっと言う間ですね」
祐一「時間一杯つき合うぞ。今日は、他に予定無いからな」
栞「時間いっぱい…。本当に時間一杯まで、こうしていられたら良いですね」
(中略)
栞「ここが私の席。今は、違いますけどね」
祐一「そうなのか?」
栞「席替えが、済んでる筈ですから。私が、一学期の最初の日しか学校に来て無いん
です。新しい学校で、新しい生活が始まる。その日に私、倒れたんです。それっ
きりずっと授業には出ていません」
(中略)
栞「……本当は、始業式の日も、お医者さんには行くなって言われてたんです。でも、
どうしても叶えたい夢があって、お姉ちゃんと同じ学校に通って、一緒に裏庭で
お昼ご飯を食べて、帰りは一緒に寄り道して、家ではその日あったことをおしゃ
べりする。お姉ちゃんにそう言ったら笑ってましたけどね。安上がりな夢だって」
祐一「やっぱり、風邪じゃ無かったんだな」
栞「私、生まれつき身体が弱いんです。だから、毎日授業を受けるのは、元々無理だ
ったんです。嘘をついてました。ごめんなさい」
夕方。栞はもう一つだけ行きたい場所があると言う。
その場所は二人の通う学校の校舎の中。
部活の生徒も帰宅してほぼ無人の校内を栞の教室に向かった祐一達。
そこで栞は一学期の最初の日に倒れて以来、学校には来ていないこと、生まれつき
身体が弱かったことを告白し、謝るのだった。
# 今日は他に予定無いから。普段の祐一の慌ただしい行動振りを考えるとギャグにし
# か聞こえません。
# 夕方でほぼ無人となった学校。昨日、校舎が大破壊されても警備状況は変わらない
# んですね(笑)。
# 前作ではデートの前に栞が病気のことを告白してましたっけ。順番が変わったのは、
# 前作の流れだと、祐一が同情でデートしていると栞が思ってしまうから、でしょう
# か。
●余命一週間
香里「あなた達って本当に同じ家に住んでたのね。ちょっと話があるの。悪いけど、
出て来てくれない?」
(中略)
香里「栞、あの子ね、私の、私のね、妹よ。あの子、生まれつき身体が弱いのよ」
祐一「聞いた」
香里「あの子、楽しみにしてたのよ。私と同じ学校に通って、私と一緒にお昼ご飯を
食べたり、帰りに待ち合わせしたり、そんな誰でもしてるようなことが、あの
子の昔からの夢だったの。後一週間で、あの子の誕生日。次の誕生日まで生き
られないだろうって言われた。あの子の誕生日」
祐一「え?」
香里「もうすぐ死ぬのよ。あの子が」
祐一「あ…」
香里「私、あの子のこと見ないようにしてた。弱っていくあの子をこれ以上見ていた
く無かった。いなくなるって、もうすぐあたしの前からいなくなるって判って
るから。だから、あの子のこと避けて…。妹なんて、いなかったらって。う…。
こんなに、こんなに辛い想いをする位なら、最初から妹なんていなければ良かっ
たのに」
(中略)
香里「相沢君。うう…うう…相沢君。あの子、何のために生まれて来たの。うう…」
スケッチを手に水瀬家に帰宅した祐一。
水瀬家への電話を祐一が取ると、それは香里からのものだった。
香里に、夜の学校に呼び出された祐一。
制服姿で暗闇の中立っていた香里は、妹の栞は生まれつき身体が弱く、後一週間後
の誕生日まで生きられないだろうと言われていたことを告白。
もうすぐ死んでしまう栞を見ないようにして、避け続けていた香里。
こんな辛い想いをする位なら、最初から妹なんていなければ良かったのにという香
里は、祐一の胸で、栞が何のために生まれて来たのと泣くのだが……。
# 前作でも名シーンだった、香里の栞に関して告白し涙するシーン。改めて観ても泣
# けます…と書こうとして、前作の当該シーン(噴水公園でしたね)を見返したので
# すが、最近は体調が良くなったので、次の誕生日は迎えられるかもしれないという
# 話の後で、「…でも、それだけ」とか、泣ける度合いは前作の方が上だったのは意
# 外でした。栞に寿命を告げてしまい、それからその事実から逃げ出した、なんて無
# 茶苦茶泣けるポイントなんですけど。
# 雪の中待っていた香里。相変わらず雪の表現は美しい。
# 香里から栞が余命一週間と告げられた祐一。前作はそこから栞にどう接すれば…と
# 考えた訳ですが、本作はこれからどうするんでしょうか。デートしちゃったし。
# ところで舞の誕生日は1月29日、栞の誕生日は2月1日なので、どう考えてもシ
# リーズ構成が成り立ちません。栞とデートした日は日曜日だというのは数えたとこ
# ろ合っていましたが。前作、実はシリーズ構成はキャラの誕生日の公式設定に忠実
# に作ってあるみたいですね(前作で真琴が寝込んだ時、「2月に入って〜」と祐一
# が言っていたので、日付の管理はやっているみたいです)。
●次回予告
栞「祐一さん。一つお願いして良いですか?」
栞「祐一さんといると、私は戻れるんです。楽しかったあの頃に」
祐一「判った。約束する」
栞「あ…お帰りなさい。お姉ちゃん」
香里「私は、栞なんて子知らないわ」
第17話「姉と妹の無言歌(リーダ・オーネ・ウォルテ) 〜lieder ohne worte〜」
祐一「栞!」
妹のこと告白した後に栞なんて知らないなんて、どういうことなんでしょうか
>香里。
では、また。
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