ライス国務長官がパレスチナを訪問し、自治政府のアッバス議長と会談した。中東問題は、アラブ周辺問題の原点であるが、硬直状態にある。
 今回ライスが訪問した目的は何なのか。イラク新政策の協力を求めるということではないようだが、どこまで本気でやる気でいるのかは不透明だ。
 パレスチナ国家樹立への協議促進なら、イスラエルの説得が先である。現在の隔離壁を暫定国境とする条件などが付けられるのなら、パレスチナは鼻も引っ掛けないであろう。国連でも決議されている第三次中東戦争前の線までイスラエルを後退させる以外に中東和平とパレスチナ国家樹立の道はないのだ。
 今回の訪問で、ライスは、議長護衛隊を強化するためとして、8600万ドルの資金援助をするというが、これがハマスとの内戦激化を齎すようなことを狙うなら、米国の意図はおして知るべしである。
 村上新八