国連安保理はウランの濃縮活動をやめないイランに対する制裁決議案を採択した。決議案の内容は中ロの制裁規定緩和の意見を入れて、ロシアの技術援助で開発中の原発やイラン当局者の海外渡航禁止の規定は削除されたという。
 しかし、このような国連の制裁決議は儀式化してしまい、制裁してみても、核開発を中断するとか、放棄するなどの効果は全く期待できないことは、北朝鮮のいくつもの例をみても明らかなのだ。
 北朝鮮は、マカオの銀行口座を凍結されたアメリカの金融制裁には参っているが、それでも核放棄は拒絶しているのである。
 イランのアルファイデネジャド大統領もこの状況は良く知っているから、核開発は続けるであろう。
 ただ、北朝鮮と違うのは、イランは独裁国家ではなく、選挙という洗礼がある点である。最近の報道ではイランのいくつかの選挙では、大統領派が苦戦して、穏健派のハタミ前大統領やラフサンジャニ氏らの派が勝利しているから、政権が変る可能性もあり、そうなれば、核問題の方向も変る、と言う点である。
 村上新八