1年以上中断している6者協議が今月16日に開催されるような報道がある。
 しかし、米朝の主張の開きが大きいのに,開催できるのかどうかさえ危ぶまれる。
 米国の要求は
1寧辺の核施設の稼動停止
2IAEAの査察受け入れ
3核計画の申告
4核実験場の閉鎖
などであるが、北朝鮮が難色を示したため、中国は、上記4項目のうち3,4を削り、さらに、
 金融制裁、米朝、日朝の国交正常化、経済、エネルギ−に関する作業部会の設置などの提案をし、米国もこれを呑んだ、と伝えられている。が、北朝鮮にとっては「核兵器」だけが唯一の切り札だから、これを呑むとは考えにくい。
  しかし、北朝鮮では食糧、エネルギ−で更に困窮の度が高まっているというから、この危機を乗り切るために、6者協議を利用したいとは考えているはずである。
 そう考えると、北朝鮮は、中国案を更に後退させて、1と2も開催の条件ではなく、6者協議のなかの作業部会で話し合う形にすることと、協議開催受諾の見返りに、韓国は中断している米支援を再開するであろうし、更に食糧とエネルギ−の供給を要求してくるのではないか。
 それが、北朝鮮の思うつぼなのだ。
 村上新八