道路特定財源の決着を巡って、自民党、内閣双方とも喜んでいる。内閣は、小泉が先送りした道路特財源に一応切り込むことができたことを、党側は切り込みを実際には骨付抜きにする形になったことを喜んでいるのだ。しかし、軍配は党側に上がっているのである。
 安倍は、この一般財源化によって、消費税率の上げ幅を縮めて、消費の拡大、と経済面のマイナスの軽減を狙っていたものだが、これが、党側の反対で潰されたのだ。かくして、安倍内閣の最初の試金石は失敗に終わった。
 その原因は、小泉流に、「道路財源の一般財源化は、消費税率の上げ幅を小さくするためですよ」と大々的にPRして、国民を味方にし、反対する党側を「抵抗勢力呼ばわり」で追い詰めればよかったのだ。
 そんなクレ−ジ−性の欠けている安倍には、そんなことはできなかったのである。
 大統領的な指導力を発揮しようと、首相府を強化はしたみたが、肝心の腹モクレ−ジ−さもない安倍には、それはとても無理であることが証明されたのである。
 今後とも、次々と党側に押し切られるであろう。
 村上新八