神戸地裁が行なった、中国残留帰国日本人に対する賠償支払い判決は朗報である。
 それこそ、親が断腸の思いで子を中国人に託してきた子どもたちであり、彼らは国策の犠牲者なのだ。
 政府は、中国との国交正常化後、速やかにに、中国残留子女の調査と、帰国意志の確認、帰国支援、帰国後の自立支援に乗り出すべきであった。これを怠り、支援が極めて不十分であったことへの批判と償いの指示が今回の判決である。
 帰国者は、約2500名、そのうち2200名が生活保護を受けてほそぼそと暮らし、帰国しなければよかった、と帰国したことを後悔している者が少なくないという。彼らも既に高齢の域に入り、仕事に就く当てもないはずである。
 日本人であることを誇りに思い、故国を慕って帰国した彼らこそ、自民党の好きな愛国者だ、ということも出来るのだ。
 戦後処理の締めくくりとして、はやり、帰国してよかった、祖国は良いものである、という思いを味あわさせてあげることが政府の責任であると信じる。
 村上新八