現状において教育委員会が“中立性”を守っているなんて全くの嘘出鱈目。
教育委員会の実権を握っているのが教育長、この教育長の任命経路は、
地方教育行政組織運営法を見ても極めて分かりづらい。現実には、まず教育委員を
首長が地方議会に提案して決める。そのなかにあらかじめ教育長となるべき人選も
含めておく。次に委員会を開いて、形式的に委員会決議というかたちで教育長が
決まる、という仕組みである。多くの教育委員会の会議は、教育長の思う通りに
運営され、教育長は教育委員会事務局全般を指揮する。特定政党政権からの指導通達
を受理し、これを忠実に履行させるのも教育長である。

教育長の人選にあたっては、地方首長の意図が100%働くことは当然である。
例えば、現職首長が自己の再選を有利に進めるためにある政党とその系統の宗教団体
を取り込む手段として、そのマチにちゃんとした適任者がいるというのに、わざわざ
他のマチから然るべき人物を迎えるというように。

こうした政治的意図のもとに行われている教育行政をかなぐり捨てるためには、
政府から独立して構成される大学関係の教官らを中心とした国民に開かれた裾の広い
教育審議機関を置き、これに全面的に委任するなどの制度に転換させる必要がある。