イラクの内戦状態激化、犠牲米兵の増大というイラク政策の失敗が主因で、共和党は中間選挙で敗北を喫した。
 しかし、ブッシュの残り任期2年の間、共和党政権がレ−ムダッグ化して、ずるずるとイラク内戦状態を野放しにすることは許されない。それは中東全体の不安定化に繋がるだけでなく、テロ勢力を鼓舞することにもなりかねないからである。
 まず、イラクの安定化が先決である。
イラクでのシ−ア派、スンニ派の内戦の最大要因は、石油利益を巡る問題である。
 イラク最大の財産である石油資源はシ−ア派やクルドの居住地域に偏在し、クルド地域にはない、という地理的な問題が、このまま素直に地区割りをして、連邦国家にすれば、スンニ派だけがこの富の分け前に預かれないことになることへの不満だ。
 この問題が底辺にあるから、宗派対立の火に油を注ぐことになるのである。
 しかし、この問題は、あくまでイラク国民間で話し合い、解決するのが筋である。
 アメリカの超党派有識者がメンバ−になっている「イラク研究グル−プ」は、周辺のイスラム諸国を加えたイラクに関する平和会議の構想を持っているというが、これらの国々もシ−ア派    (イラン),スンニ派(シ 
リア、エジプト、サウジ)に分かれているから、問題を余計ややこしくすることになる懸念がある。
 むしろ、周辺のイスラム諸国は、イラク国内の話し合いで決まった事項の証人とかその実行監視の役割にとどめるのが賢明であると思う。
 村上新八