2週間後に中間選挙を控えて、イラクで手を焼いているブッシュ政権の支持率は30%台、不支持が60%台と、その差はますます開くばかりである。
 米国民の最大関心事はイラク問題で、それを投票の主眼とするという有権者は30%に達しているという。
 ブッシュは、国民の目をイラクからそそらせようと、景気や教育問題を全面に出そうとしているようだ。その気持は分かるが、効果はあるまい。
 しかし、イラクから米軍の撤退はできるはずはないのだ。米軍が撤退したら、それこそ、スンニ派やアルカイダの思う壷で、イラク内戦はかってのアフガンと同じ状態に陥り、それこそブッシュの失敗を確実なものにすることになるからである。
 優勢に立つ民主党にしても、イラク政策の批判はしても、代案をもっているわけではないのだから、ブッシュとしては、イラク問題を逆手にとって、民主党の無策を突くとともに、イラク問題解決の新しい構想と成功追求の強固な意志を掲げたほうが選挙には有利ではないのか。
 景気や教育を前面に出すのは、イラクの失敗を挽回する手を持たないことを自認することになるだけである。
 村上新八