3日北朝鮮は、「核実験を実施する」「核兵器を最初使用することはないし、核を移転することもしない」「朝鮮半島の非核化の努力は捨てない」という主旨の声明を出した。
 既に核保有の声明を出しているから、核実験もするだろうことは想定内だから、驚きはない。
 米国の「金融制裁」による北朝鮮の銀行口座凍結で、北朝鮮がかなり行き詰まってきているのに、米国が、この問題をめぐっての、先のサイン、即ち7発のミサイル発射にも米国は動じないし、北朝鮮との二国間対話に応じないことへの苛立ちから、この声明が出されたものであろう。
 しかし、米国の金融制裁は、北朝鮮による「偽ドル札印刷」や「米国ブランドの煙草偽造」などに対する報復だから、この声明によって米国の態度が軟化するとはあり得ない。
 北朝鮮は、これも見越して、というより、このチャンスを活かして核実験をやって、核保有国としての実績を作って、日米韓に睨みを利かそうという戦略であろう。
 日本は、「そんなことをしたら北朝鮮は益々孤立化する」と警告しているが、そんなことは先刻承知、孤立化のマイナスより核保有国しての世界の認知が大切だ、というのが北朝鮮の判断なのだ。
 次ぎにはどういう手に出るか、それは弾道ミサイルの高精度証明実験ではないか。こうして、北朝鮮は、ミサイルも核爆弾もあるよ、ということを示してますます図に乗って、脅しに掛かろうとするであろう。
 金正日体制を崩壊させなければならない次期が近づいているのである。
 村上新八