安倍の所信表明演説がなされた。気になる点をいくつか上げてみる。
・まず冒頭「私は、特定の団体や個人のための政治を行なうつもりは一切ありません」と。こんなことは当たり前じゃないか。冒頭で何故言うのか、いままでの政治はそうでなかった、と言いたいのか。
・安倍が好きな「美しい国」という意味が初めて分かった。
１文化、伝統、自然、歴史を大切にする国
２自由な社会を基本として規律を知る国
３未来に向かって成長するエネルギ−を持ち続ける国
４世界に信頼され、尊敬され、愛される、リ−ダ−シップを持つ国
　これはすべての国が同じことを考えているはずだし、取り立ててどうということはない。また、これは「美しい国」というイメ−ジとは違う。国語の勉強をしなおす必要がある。
・フリ−タ−、ニ−ト、派遣は、企業がコスト減の目的から発生した問題であるから、「再チャレンジ」はその対策がないと、成功はしないはず、ましてや普通なら中堅社員になっているはずの２５−３５歳のニ−ト対策が問題なのだ。
・800兆円借金財政立て直しのための増税の問題は避けている。国債を当年度以下に抑えるなどでお茶を濁しているだけ。
・「持続可能な社会保障」とは、給付の削減、負担増をやるぞという意味ではないのか。「持続可能」という言葉は、それをやるための常套語だから。
・「日米同盟がより効果的に機能し、平和が維持されるようにするために、いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、個別具体的事例を研究する」と言うが言い方は米国と共同で戦う場合だけしか考えていない、と言うことだ。
・「常任理事国入り」「アジアゲ−トウエイ」その前に中韓との友好回復阻害要因である、安倍の嫌う靖国参拝中止を約束する必要があるのだ。
・「拉致問題対策本部」北朝鮮が「解決済み」と言っているのをどうひっくり返すのか、それが大難関だ。
　やりますとちょうちんをいろいろ並べる立てて、いろいろ綺麗ごとの形容詞で飾れば飾るほど白ける、ということがよく分かった安倍の所信表明であった。
　村上新八