早くから自民総裁、首相の本命として目されていた安倍だから、準備する時間はたっぷりふったはずだが、総理としての初の記者会見では全く中身のないものであった。
 「日本を活力とチャンスとやさしさに満ち溢れた国にしていく」と歯のありきたりの役者の襲名披露の口上みたいな言葉は並ぶが、哲学もビジョンも中身も何もない。
 会見内容を伝える日経の見出しをみても、「首相給与30%返上」「教育再生会議を設置」「常任理事国めざす」と書いてあるだけ、国民が心配している増税、年金、医療、アジア外交については、将来展望や期待か持てるようなことは一つもない。
 三つの重点政策としてあげた「人材の育成」「イノベ−ション」「「オ−プン」
についても「今日よりも明日がよくなる、今日よりも明日がより豊かになっていく国づくり」とここでも口上だけ。
 教育再生会議を作るというが国粋主義的委員を集めてやるに決まっているし、それは教育勅語収斂しかできないことはみえみえだ。こんなもので今のがきが言うことを聞くわけではない。
 外交については、「中韓との信頼関係を高める」なんて言っても白けるだけ、「門戸は開けてある」というだけで、その障害を取り除こうとする姿勢は皆無だからだ。これで、日本の国連常任理事国入りを唱えるなど、気は確かかと言いたくなる。
 一番具体的で分かり易かったのは「集団的自衛権」問題、こんなところが安倍の本性なのだ。
 村上新八