自民総裁選、そもそも安倍が優勢な理由は、「世論の支持」「小泉の支持」「勝ち馬本命」の三つだった。
 「世論の支持」とは、拉致問題などを通じて、頑固に主張する安倍の姿勢を頼もしいと見る国民が多かった、ということだけ。
 「勝ち馬本命」とは、それで安倍を勝ち馬と見た自民党の議員どもが、安倍に乗れば、良いポストをもらえるかも知れないし、次ぎの選挙でも大勝できるような錯覚に陥って群がって支持しているのである。
 ところが、安倍の政権構想は全く曖昧で、選挙戦が本番になっても不明瞭なまま。抽象的な表現で誤魔化そうとしているのだ。
 はっきりものを言う人という安倍のイメ−ジは全く幻想で、そう見えたのは、北朝鮮嫌い、中国嫌い、日本の侵略戦争正当化、A級戦犯無罪という頑ななアナクロニズムの影に過ぎなかったのである。
 安倍支持の国民も自民党の大臣病患者どもも皆騙されている愚か者というしかない。 

 昨日の三者討論でも、論議の指導権を取ったのは谷垣で、彼が議論を吹っかけて、安倍の本質を焙り出そうとしている感がある。
 そのなかから、安倍のこのような本音が少しづつ焙り出されてきているが、後20日あるから、更なる谷垣の安倍の本質引っぺがしの健闘に期待したい。
 村上新八