ポスト小泉の本命視されている安倍は6日、記者とのインタビュ−で、日本の侵略戦争の反省と戦争被害国へのお詫びと謝罪を表明し、日本国の歴史認識の基本姿勢とされてきた「村山談話」について、単なる「歴史的な談話」だと切り捨てた。
 この「村山談話」については、アジア諸国をはじめ米国も評価しており、その後の日本の首相も「同じ認識を共有している」と踏襲してきたものである。
 しかし、以前から、日本の侵略戦争やA級戦犯に対する判断について「歴史家に委ねる」と、これを否定する態度を取り続けてきた安倍は、今後もこの姿勢を変えないことを改めて示したのだ。
 第二次大戦後、国連では「植民地不可」の決議もしており、旧植民地がこぞって独立を勝ち取った事実からしても、これらの問題についての歴史の審判は決着しているのだ。それを今更のように、「歴史の審判」などと言うのは、これらを否定する態度以外のなにものでもないのだ。
 安倍がこのような姿勢をとり続けることは、中韓に対しては「喧嘩売り」、アジア諸国に対しては「居直り」である。
 新聞では安倍は「あいまいにしようとしている」などとの論調だが、これは「あいまい」ではなく、はっきりした右傾化宣言なのだ。
 こんな奴を首相にしたら、日本の将来はどうなるか、世論も自民党の議員どもも頭を冷やしてよくよく再考すべきだ。
 村上新八