あるお寺の金魚が、ガラス鉢を飛び出し、海へ身を投げた。
それを知った木魚は後を追い、その海に身を投げた。が、
沈まず、いまも潮に乗って漂っているという。

この木魚に近づいた漁師の話では、木魚の内部を海水が洗い
いつも「ポク・ポク・ポク」と音を立てているという。その音は海に伝わり、
沢山の小魚が集まり、一帯は遊園地のようだという。

しかし、その集まった小魚の中に、淡水に棲む金魚、ましてや、
あのお寺に居た赤い出目金はいない。

無惨である。けれども、
これがひとり取り残された木魚にとっての
…幸せというものである。

(OWARINN)
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# 木魚(もくぎょ):坊さんが経を読むときに叩く、木で出来た仏具。
123.あ〜い●◎∵太陽[]<>+P)==~|◇diagram×!#&ぶーんbottle☆:-tt??