イスラエルのレバノン攻撃は益々激しさを増している。爆撃回数は200回近くに達し、キリスト教徒居住地まで空爆され、死者は800人、国外避難者は50万人を越えるとも言われる。更に、雇い主の国外脱出のために、レバノンに出稼ぎに来ている数万人とも言われるフィリッピン人が職を失い、帰国を余儀なくされるという影響も出ている。
 アメリカが、このイスラエルのレバノン攻撃を支持している理由は、ここで停戦すれば、ヒズボラの勢力が温存され、将来の禍根のタネを残すことになるから、この際一挙に殲滅させたほうがよい、という理由だ。が、イラン、シリアが後ろ盾となっいるヒズボラの殲滅は無理である。
 イスラエルももっと手早くやれると思ったのであろうが、レバノン国民の被害が増えるばかりで、ヒズボラ退治という戦果はそう上がってはいないのだ。
 この攻撃は失敗に終わるであろうし、レバノン国民の支持が高いヒズボラ叩きとレバノン民間人の被害増大は、イスラエルとアメリカに対する憎悪と怨念を高めるだけであろう。それはイスラムテロ勢力を鼓舞するだけである。
 アメリカは、中東紛争の原点に戻って
、イスラエルの占領地返還を促進する方向に転換すべきである。
 村上新八