金大中元大統領の北朝鮮に対する太陽政策は、結局失敗に終わる可能性が高まってきたようだ。
 金大中氏が再度訪朝して金正日と会談する予定となっていたようだが、その直前に7発のミサイルが発射され、ーそのとき釜山で開催されていた、米と肥料支援のための閣僚級会談で、その点に触れるや、北朝鮮代表は席を蹴って帰国してしまったのだ。その直後に予定されていた南北離散家族の面会予定もキャンセルされた。
 これらの事実をみても、太陽政策を取ることによって、韓国政権が意図するような融和効果は全く上がってはいないのだ。
 金正日の狙いは、韓国から食糧や肥料の支援を受けて、窮乏する国民生活
の下支えとし、核兵器やミサイル開発になけなしのカネをつぎ込み、核とミサイルの脅しで主導権を取って半島統合を実現しようというものであろう。
 経済発展で金持ちになった韓国に対して、「オレの言うことを聞かないと、その宝を台無しにしてやるぞ」という金正日の無言の脅しにひるんで、じわじわと金正日の思う壷にはまり込みつつあるのだ。それが金正日がねらっている太陽政策の着地点なのであろう。
 村上新八