カナの空爆で多数の子とも、母親が爆死し、アメリカを除く世界中から非難の礫を浴びているイスラエルは、遂に48時間の停戦を宣言した。この事件の実態を調査するためだという。
 その一方で、イスラエルの攻撃を容認していたアメリカもヨルダン南部への国連部隊派遣の検討に同意せざるを得なくなった。が、その一方で、相変わらず「地域での永続する停戦の条件造り」を主張している。
 アメリカの言う「停戦永続の条件」とはヒズボラの全面武装解除である。しかし、これが不可能とみているから、ヒズボラ殲滅のためのイスラエル攻撃を後押しし続けたい、というのが本音なのだ。
 しかし、イランの支援で作られ、イランの支援が継続しているヒズボラは、兵力1万以上といわれる立派な軍隊であり、これは潰れないであろう。多大の打撃を受けてもまた復活してくるはずである。アメリカやイスラエルが期待する殲滅は不可能である。
 中東での永続する停戦の唯一の条件は、イスラエルがこれまでの中東戦争で占領し、今なお居座り続け、植民化を続けている、ゴラン高原やヨルダン川西岸から撤退すること以外にはないのである。
 村上新八