28日自民党東京ブロック大会で麻生、安倍、谷垣のポスト小泉候補3名が政治信条について語った(外遊中の麻生はビデオ参加)。
 国家観、外交、教育、財政などについて語られたが、それを見ると、一番明快なのが谷垣、一番曖昧模糊としているのが安倍普三だ。
 「日本の国としてのアイデンティティはすばらしい、と世界に発信していきたい」というのが国家観になるのか。「すばらしい」というものがあるとすれば日本人は「働き蟻」的に働くのと「憲法9条」くらいのものだが、前者は世界に発信する必要はないし、後者は間もなく変えようとしているものなのだ。何を発信し、世界がどんな受けとり方をするのかを、普三は一体考えているのか。
 「靖国神社に参拝するから首脳会談をしない姿勢でいいか。両国が一歩前にでる必要がある」というのが外交姿勢だと言うが、これは中韓に「靖国参拝を気にするな」ということだろうが、相手が気にしているから何十年も問題にしているのであって、こんな手前勝手の考え方では近隣外交の回復なぞ絶望的だ。
 更に「日本の目指している理想、歴史や文化は素晴らしい。その一部になりたいと思う人たちに対して、寛容でありたい」とは一体何を言いたいのか。
どこの誰に向けた発言なのか、「一部になりたい」などとは、まるで日本の属国が植民地の住民に対して言うような発言である。
 こんなトンチンカンな政治信条にはお目に掛かったことがない。こんなのを総裁候補ダントツ走者として独走させるようでは日本もお仕舞いだ。
 村上新八