ミサイル騒動11
国連決議はすんでのところで抜本的に骨抜きされて通った。今後は“全会一致”
の美名を売り物にすることにより、これに様々な“負け惜しみロジック”を加え、
日本外交の敗北は糊塗されよう。
米国のTVニュースが今次国連安保理をどう捉えているかについて、ちょっと
垣間見ただけであるが、日常的な些事の一つとしてしか取り扱っていない印象
を受けた。
米国にとって国際政治はゲームみたいなもの、安保理は各国による各国の腹の
探り合い、化かし合いのゲームの場でしかない。ポーカーゲームに明け暮れ、
プラグマチズム哲学を編みだし、安保理拒否権行使の常習犯であるのみならず、
時にはイラク攻撃に見せた国連を無視さえする米国の、「らしさ」が滲み出た
一幕であったと思う。
安保理は鬼の首を獲るところではない。とかく針小棒大傾向の日本人は国連
国連と騒ぎ立てるが、そんなに期待し得ないことをじき知るであろう。
一方中国はどうか。中国にとっても朝鮮半島の非核化は国策である。その意味
では、北を困らせておかないといけない。然しながら“有事”の事態はこれまた
絶対に避けなければならない。そしてまた、国際的な視野に立つ大国としての
プライドや実力も世界に示さなければならない。
今回の安保理の舞台は、以上互いに腹に一物をもつ二つの大国が、見事な駆け引
きの末に幕が降ろされた、と言ってよかろう。主役は米中であったのだ。
全会一致、国際協調、そうした標語的感覚世界に置かれながら、日本はああなんと
ひもじいことか、北朝鮮とは無論のこと中国、ロシア、韓国と何の接触もできない
ままここ当分は過ごさなければならない。日本は独りぼっちになったのだから、
この際やけのやんぱちになり、ますます強硬に北に対する経済制裁を加えるとよい。
既に国交断絶の状態にあり、拉致問題の解決は200%絶望なのだから。
サミットサミットと騒いでいるが、そんなもん各国首脳等の昼食会のようなもの、
バカ騒ぎするのは日本人だけ。(以下次回へ)
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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