イラクやイランの報道にかき消されてアフガンの情報が少ないが、アフガン東部ではタリバンが息を吹き返して攻勢を強めてきているという。
 それに伴って、各地にばっ居する軍閥が私兵を増加させているという。
 このまま放置しておけば、タリバン勢力を交えたソ連撤退後の内戦状態に戻ってしまうことが恐れられるのである。
 相変わらずテロも盛んで、特に最近では以前は見られなかった「自爆テロ」も頻発しているという。これはアルカイダ残党の影響であろう。
 アフガンのカルザイ大統領は、タリバン蘇生は、アフガン戦争で生き残った残党の復活ではなく、隣国パキスタンの過激なイスラム教の学校で新たに教育を受けた若者たちが主体だという。
 このような学校の存在とその影響については以前から問題視されてはいたが、その弊害は一向に減るどころか増大しているのであろう。
 アメリカ軍もゲリラ掃討には努力しているが、民衆にまぎれて一緒に生活しているために、米軍による掃討作戦で民間人が犠牲になり、それが住民の激しい反感と憎悪を買う、という状況も増えているという。
 アフガン、イラン、イラク、パレスチナという中東の「超不安定の弧」にどう対応すべきか、世界の知恵を結集すべきではないか。
 村上新八