アメリカが、偽ドル札印刷や麻薬密輸に対する罰としてマカオ銀行の北朝鮮口座の凍結を敢行し、これに弱りきった金正日がミサイル7発発射に踏み切ったのは彼なりの計算があったからだ。 イラク、イランに手こずっているアメリカは、北朝鮮に手を付ける余力はないから、今ミサイルを発射しても国連安保理に経済制裁決議を提案するくらいしか出来まい。その提案をしても、友好国である中ロは反対に回るであろうから、成立することはない。そうすれば更にミサイル発射を継続して北朝鮮の意志が強固であり、不退転の決意で望んでいる姿勢を示し続けるのだと、いうことであろう。そうすれば、クリントンのときみたいにアメリカは譲歩してくるであろう、と金正日は読んでいるのだ。 この不遜な北朝鮮の態度にガツンと一発くわせられるのは、頼りにされている中ロしかないのだ。そうしなければ、北朝鮮はますます手に負えない狂犬になるのだ。 中ロは、このことをよく考えて、賛成はしなくても、棄権でも欠席でもよいから、とにかく決議を成立させるべきである。それが中ロの世界に対する重い責務だ。 村上新八