小泉の首相退任前のブッシユ親方へ挨拶訪米は終わった。
 日米関係はかってないほど緊密だと言うが、アフガンや英国を除く安保理事国とドイツがそっぽを向いたイラク派兵にも、米国の世界戦略遂行のための米軍再編成にも協力、日本の米軍基地の再配置については米国案を丸呑み、その上3兆円もの引越し費用まで負担してくれる小泉にブッシュが悪い顔をするわけはないのだ。
 そのうえ、毎年米国が出してくる、郵政民営化などの日本に対する「政策要求」にも、日本政府は忠実にこたえてくれているのだ。
 要するに、両首脳の親密とは、小泉が、財政破綻にも拘わらず、ブッシュが考えている米国の国益に終始協力してくれたからに過ぎないのだ。役者はブッシュのほうがはるかに上なのだ。
 小泉はブッシュに丸め込まっ放しで終わったわけが、こんな蜜月は続くわけはない。これからのアメリカの関心は、台頭する中国インドに移るのだ。
 2年後は、政権が民主党に移る可能性か大きいし、そうなったら、クリントン政権時代のように、アメリカは掌を返したように、日本の頭越しに中印に接近することになるであろう。
 米軍基地は恒久化された日本に、いい顔をする必要は毛頭ないからだ。後は自動車輸出規制や農畜産物の輸入増大、為替レ−トの引き上げを求めて
くるくらいであろう。
 米国はそういう国なのだ。
 村上新八