蒲谷横須賀市長は、横須賀への原子力空母配備に伴う軍港浚渫工事を承認した。これで佐藤栄作元首相がノ−ベル平和賞を受賞した核を「造らず、持たず、持ち込ませず」は名実ともに完全に反故になった。
 本当は、蒲谷市長の原子力空母の母港化反対は、ジェスチュアに過ぎなかったのだ。市長は、「通常型空母がない現在では、原子力空母を認める以外に、他に選択肢がなかった」と弁解しているが、それは、米国が初めから言っていたことだし、「選択肢がない」というのは、空母の横須賀母港化を大前提としているからである。何で「浚渫は容認しない」と突っ張れなかったのだ。
 市長の反対姿勢には初めから勢いは感じられなかったというが、小泉の応援を受けて辛うじて市長に当選できた市長には最初から空母受け入れの本心があり、反対はジェスチュアだけで、受け入れ宣言するチャンスを窺っていたにすぎないのである。
 世界中で、アメリカに空母の母港を提供している国は日本だけ。その必要性について納得のゆく議論がされてはいなのである。日本の安全保障のためというが、対北朝鮮なら、空母は必要ない。弾導ミサイル装備の潜水艦とイ−ジス艦、パトリオット迎撃で充分なのだ。
 空母搭載原子炉のメルトダウン事故でも発生したら、周辺100万人の生命が奪われるとも言われる危険極まる代物を常駐させるリスクと北朝鮮の脅威を天秤に掛けるまでもなく、原子力空母などは危険な無用の長物なのである。
 アメリカの言うままの、沖縄基地の実質強化、米軍再配置費用3兆円の負担、米陸軍第一司令部の座間進出など米軍再配置で、日本は完全に米国の属国となった、と言わざるを得ないのである。これで国連常任理事国入りをねらうなどチャンチャラ可笑しいと言うことだ。
 村上新八