マックブラウン国連事務副総長の講演に対して米国が怒っている。
 副総長がニュ−ヨ−クでの講演で「国連をこっそりと外交の道具として使いつつ、国内からの国連批判には対処しようとしないやり方ではもたない」「こうした騒がしい連中のために米国の中央部に国連の実態が伝わっていない」と米政府とメディアを批判したものである。
 これに対してボルトン米国連大使は「私の知る限り国連高官による最もひどい過ちだ」「米国人を見下したような、偉そうな言い方だ」としてアナン事務総長に取り消しを求めた。が、アナン氏は、「相互に支えあってやりましょう」という意味だとして取り合わなかったという。
 米国は国連が本当は嫌いなのだ。米国は超大国なのに、一票、弱小国も一票ということも不満だし、弱小国が票数で米国に楯突いてくることにもいらいらしているのである。しかし、イランの核開発のような問題については、国連を利用するが、利用効果がなければ、単独行動主義や有志連合で行動を起こすぞ、といったやり方が国連対応の方針なのだ。ういう米国の態度に眉をひそめている国は多い。弱小国を見下して、偉そうにしているのは超大国米国なのだ。
 しかし、こんなことで言い合っていても意味はない。米国は超大国意識を後退させて国連の機能を正常化すべく協力すべきである。
 村上新八